豆知識編② お宿を探す
ホテル、モーテル・・・いろいろあるけれど
続いての話題は宿泊場所。
ドライブ編でも書いたけれど、はじめのうちは一日どれぐらい走れるのか目安がつかみにくく、どの街に泊まればいいのか迷うことも多い。
なので、ドライブしながら「今日はここまで行けそうだ!」と分かった時点で、車中で宿をネット予約するのが一番かもしれない。これもドライブ編で書いた通り。
そこでおススメしたいのがモーテルだ。
というかドライブの旅をしていると、よほど大きな街に泊まらないかぎり普通のホテルなんかほとんどない。
モーテルと言えば、映画の世界では殺人事件が起こったり、売春やドラッグの取引現場だったり、幽霊が出てきたり・・・・・・なんとなく危ないイメージ。
だけど、心配することなかれ。現実のモーテルは駐車場完備、深夜チェックインOK、お値段以上のお部屋の広さ! アメリカ横断ドライブの強い味方なのだ。
では実際、モーテルの部屋はどんな感じなのか。アメニティ(女性はここ重要!)は? シャワーはちゃんと出るの??
ここでは、私たちの経験による独断と偏見で、横断の旅オススメのモーテルを紹介していきます。
モーテルとは
モーテルとは、モーターホテルの略称で、車社会アメリカではとても一般的なお宿。日本で言えばビジネスホテルみたいなものだろうか。
ハイウェイ沿いには必ずと言っていいほどあり、インターチェンジが近づくと、どんなモーテルがあるのか看板も出ている。
車でそのまま乗りつけ、フロントでチェックイン。さすがアメリカ、広々とした部屋に大きなベッド。お値段はピンきりだが、田舎町なら数十ドル、観光地でも100ドル未満で泊まれるところが多かった。
宿泊代が1人あたりではなく1部屋あたりなのも嬉しい。後述するけれど、激安の「Motel6」などでは、ちょっと田舎なら1泊25ドル、つまり2人1部屋だと1人1500円ぐらいで泊まれちゃうのだ。
ちなみに、これまた映画でおなじみ、部屋の前に車を駐車して・・・というモーテルは実はさほど多くない。部屋と駐車場が離れていることもあるので、戸惑わないように。
独断と偏見のモーテルランキング
それでは、モーテルのピンとキリを簡単にご紹介。
全米中のモーテルではなく、私たちがドライブ中に実際に泊まったり、見かけたりしたモーテルを分析していきます。
「Best Western」
モーテルの中ではおそらく最上級。立地場所によって設備や値段はさまざまだろうけど、部屋も広く、シャワーの水圧ももちろん十分。そして何より朝食の質が高い!
アメリカの朝食と言えば、食パン、シリアル、コーヒーが定番中の定番。「え、それだけ?うそでしょ?」と思うでしょう。安宿では本当にこれがすべてです。パサパサ、冷たく、味気ない。
が、BestWesternはさすが高級モーテル! 私たちの泊まったオクラホマ州El Renoの朝食では、パンケーキやベーグルを焼くトースターがあり、あたたかいスクランブルエッグにベーコン、デザートにリンゴやオレンジなどの果物まで。
お客さんもシニアのご夫婦に家族連れなど、落ち着いた雰囲気。この旅の朝ごはんランキングでは、サンタフェのホテルを除けばダントツでBestWesternが1位だった。
「motel6」
ピンをまず紹介したので、お次はキリを。
しかし、「キリ」と言ってしまうのは、あまりにmotel6に失礼かもしれない。というのも、motel6はとにかく安い!
私たちが宿泊したアリゾナ州Pageはアンテロープキャニオンやグランドキャニオンを巡る拠点の街だったので、モーテルも軒並み100ドル以上と強気の値段だったが、moter6は65ドルほど。他のエリアでも相場より20~30ドル安く、部屋が汚いわけでもシャワーが出ないわけでもなく、寝るだけなら何の文句もなし。
ただし、さすがに壁は薄く、私たちの泊まったPageのmotel6には深夜まできゃっきゃっ騒ぐティーンエイジャーたちの声が響いていた。
「Quality INN」
横断ドライブ開始後、雨の夜道で疲れ切った私たちが初めて泊まったモーテル。おそらくランクは中程度。可もなく不可もなく。というか、日本のビジネスホテルの部屋の広さと値段を考えれば、十分に快適だと思う。うん。
「Super8」「Comfort INN」「Holiday Inn」「Days Inn」
などなど、車中からは多くの看板を見かけた。全米に展開しているグループだと思われ、日本人でも安心して泊まれるレベルのモーテルだろう。宿を探す際に値段を調べた感覚から言えば、super8はmotel6よりやや質がよく、comfort INNやHoliday Inn、Days Innは中程度のmotelじゃなかろうか。
『地球の歩き方 アメリカ横断』にはモーテルランキングが載っているので、よければそちらもご参照を。
「プール付き」というモーテルもよくあったので、泊まり歩き(泊まりドライブ?)しながらお気に入りのモーテルを発掘するのも横断の旅の醍醐味かも。
その他
以上は、高速道路沿いには必ずある有名どころのお宿。だが、高速を下り、田舎道をトコトコ走っていると、巡り合えるお宿がある。そう、小さな田舎町は渋いモーテルのオンパレード!!
「アメリカの映画で絶対出てきそう!」なモーテルがこれでもか、これでもかと現れる。どれも古く、ひとけもなく、恐らく大半はとっくの昔に営業をやめたまま放置されているのでは・・・というぐらいにひっそり。
でも、こうした光景は日本の田舎町にたたずむ旅館や民宿と同様か。もしかしたら、地道に営業しているのかも。こうしたお宿に泊まるのも、アメリカ横断の旅情を味わえる方法の一つ。男同士の旅でなら試してみてもいいかもしれない。
モーテルを使いこなすために
宿を決める前に、確認しておきたいのはモーテルに何を求めるかだ。
もちろん、深夜に到着し、寝るだけで早朝出発ならどんな宿でもいいだろう。だが、長いドライブの旅。徹底的にモーテルを使いこなすため、以下のことには留意したい。
①お風呂
すべての宿にバスタブがあるわけではない。
アメリカだけにシャワーしかないところも多く、motel6がそうだった。連日の長時間ドライブ、「湯船にゆっくりつかって一日の疲れを・・・」。そんな願いをかなえたいひとは、予約前にバスタブの有無を確認しておきたい。
②アメニティ
意外に充実しているのがこちら。シャンプーやリンス、ボディソープ、ひげ剃りetc. 日本のビジネスホテルにあるものはmotel6以外なら大抵そろっていた。ただし、これは日本でも同じだけど、こだわりがあるなら持って行くのがベター。
不思議だったのは、アメニティの中に必ずと言っていいほど、ボディクリームがあったこと。日本ではあまりお目にかからないアメニティで、後々わかったのはアメリカは日本よりずっと乾燥しているから、アメリカ人はボディクリームを使う人が多いのだ。
余談ながら、くちびるも乾くのでリップクリームも必携!ただ、スーパーでも普通に1~2ドルで買えるのでそんなに心配はいらない。(どでかいウォルマートで小さなリップ1本を探すのはなかなかの宝探しだ)
③コインランドリー
横断の旅でアタマを悩ませることの一つが洗濯。「水曜どうでしょう」のように、部屋で手洗いをして宿を出発。ドライブ中の後部座席で乾かすという場面もしばしば。
そこでオススメしたいのが、コインランドリー付きのモーテル。
たまった洗濯物を一気に洗うチャンスだ。予約時にコインランドリーの有無を調べておけば問題ない。旅の中盤、私たちも洗濯をする気満々で張り切ってモーテルに向かったが・・・・・・なんと、motel6は洗濯機の夜間使用ができなかった!!(あれ?なんかmotel6への悪口多い?)
使用可能な時間帯を事前に調べておくことをおすすめします。
(でもサイトにはそこまで書いてなかったりするから、結局は出たとこ勝負かも?)
④食事
ほとんどのモーテルは朝食付きで、ブッフェスタイルが一般的(ブッフェというほど素晴らしくはない。東横インの無料朝食を想像してください)。
日本でビジネスホテルに美味しい朝食を求めないように、アメリカのモーテルに豪華な朝食を期待するわけではないけれど、意外に差が出るのは朝食だと思った。
私たちはドライブのお供にしょっちゅうコーヒーや果物、あまつさえパンにハムを挟んでサンドイッチまで “テイクアウト” して、正直なところランチ代が結構ういた。
外食すると、マクドナルドレベルでも7、8ドルはかかる。レストランに入ればそれなりに美味しいものが食べれるのだろうけど、時間もお金もかかる。ドライブ旅で「早く・安く」を目指すなら、モーテルの朝食ブッフェは非常に使い勝手がよいのだ。
ただし、マナーとしてOKなのかどうかは保証しません。私たちは幸い一度も怒られたことはなかったけれど・・・?
(のん)
★俺から一言★
豆知識編①をアップしてから約6カ月余り。ようやく豆知識編②が完成しました。
「私たちのこんなサイト、見てくれている人なんていないからいいよね?」なんて2人で話してはいたものの、アクセスもなんと3万人を超えました。本当にありがたいことです。
はじめにもお伝えした通り、私たちもアメリカ横断前にいろんなサイトにお世話になったので、せめてもの恩返しのつもりでコツコツと気長に書いております。
実際に私たちのサイトを見て、「よし、行ってみるか!」と思われたカップル、家族、友人同士などなどいらっしゃれば、こんなに嬉しいことはありません。
今回はモーテル特集でした。高級ホテルがいい思い出になるように、安宿の思い出もなかなかに味わい深く、いつまでも心に残りますよね。振り返ってみて、改めてそう思いました。
(なお)
豆知識編③に続く。