準備編② レンタカーと免許証
レンタカーを借りる
さて、ルートを決めつつもレンタカーの準備へ。
車社会のアメリカなのでレンタカー会社も多い。どこがいいのか悩んだら、まずはおおまかな予算を知るところから始めよう。
使ってみた料金比較サイト
https://www.rentalcars.com/ja/
初めてアメリカで車を運転するビギナーな私たち。安心を買う意味でも大手のレンタカー会社に決定。
あとはスタート、ゴール地点に近い営業所に絞っていけばいい。我々はHertzさんにした。
車種は?
長距離ドライブで気になるのは快適さと燃費。ネット情報やガイドブックなどを見ても、おすすめ車種はフルサイズ以上とある。
このクラス以上の車種を選んでおけば間違いなし。私たちも出発の1カ月ほど前にフルサイズの車を予約。ところが・・・。
事件発生!
実際にレンタカー店に車を受け取りに行ったところ、「フルサイズはないので一つ下のクラスにした」と店員がまさかの一言。当日予約したのなら仕方がないが、いまになってなぜ?
「ヘイ、こっちは1カ月も前に予約してるんだ。ふざけるな!ドン!!」とカウンターを叩いて抗議しようかと思ったけれど、英語でそんな文句も出ず。
車種変更による料金など、早口の説明を聞きとるのに精いっぱい。
結局、フルサイズの一つ下のインターメディエートクラスになり、トヨタのカローラを借りる。
結果から言えば、オートクルーズ機能もあり、燃費もよく、快適なドライブだった。2人でアメリカ横断するなら特に支障はなかった。
下は私たちの愛車。
それでも車種にこだわる人は
「どうしてもアメ車に乗りたい!」などこだわりがある人は予約後、直接レンタカー店に電話やメールで車種を確認をした方がよいかもしれない。
どこで借り出すのかも重要だと感じた。私たちはニュージャージーの中心部にあるレンタカー店で借り、ロサンゼルス空港で返却。
当たり前のことだが、街なかのレンタカー店と主要空港のレンタカー店とでは規模が全然違う。LAの空港には数え切れないぐらいの車が並んでいた。なので、車を借り出すときは、空港にあるレンタカー店で借りれば車種も豊富なのかもしれない。(ただし、料金に空港税などが加算される可能性もあり)
保険やオプション
レンタカーを借りるときの保険。異国の地での運転なので、なるべく心配は減らしておきたい。私たちは迷わずフルパッケージの保険を選んだ。
ちょっとした事故で楽しい旅行が台無しになるのも嫌なので。
さらに、Hertzの場合は、「NEVERLOST」なるカーナビもオプションで付けられる。料金は1日ごとの課金なので、2週間近くの旅になるとそこそこ高くなるのが難点。
最近では、スマホをナビ代わりにも使えるので、「わざわざ高いお金を払ってナビを付けなくても」という考え方もある。実際、レンタカーを借りる前にネットを調べていると、「NEVERLOSTは使いにくい」などの指摘もあった。
ただ、私たちは迷った末に借りることにした。
結論は正解だった。都市部は確かにスマホがナビ代わりにもなったが、中西部などの大平原では圏外でスマホが使えず。それでもナビは、けなげに仕事を続けてくれた。
LAなど複雑に入り組む高速道路でも的確にインターチェンジの乗り降りを指示してくれた(何回か間違えてしまったけれど・・・)。
不安な方はナビを付けることをおすすめします。
国際免許証
何はともあれ、免許証がないと運転できないし、車も借りられない。
住んでいる地域によって取得場所はさまざまだが、運転免許センターなどで即日発行。30分もかからなかった。ただ、簡単に取得できると思っていると、ついつい後回しになりがち。出発直前になってから焦らないためにも、余裕を持って入手したい。
ちなみに携帯電話も
アメリカでの携帯電話をどうするか。携帯をレンタルしたり、または携帯は持たずにwifiをレンタルしてネットだけ使うなど、いろんな方法がありそう。
でも、事故や故障でレンタカー会社や警察に緊急連絡する事態が発生したとき、LINEなどのアプリだと通話はできない(どっちみち圏外だと携帯も使えないのだけれど・・・)。
なので、私たちは携帯通話も確保しつつ、ネットも使えるようにプリペイド式のsimカードを事前購入した。
テザリングをすれば、車内でPCやiPadなんかも使えるので便利。ただし、simフリーの携帯でないと使えないので、携帯がsimロックされている場合は要注意です。
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さぁ、旅に出よう!
ここまで、ホテル予約やレンタカーなど旅の準備を記してきた。横断にかかる費用はおおよそどのぐらいか。参考までに、私たちの今回の旅の諸費用は最後の記事でまとめようと思います。
すべての準備が整ったら、あとはアメリカに旅立つだけ!
いざ行かん!!
と、心はすでに大陸を横断していた私たちだったが、アメリカはまたしても新たな難題をぶつけてくるのであった・・・。
(なお)
準備編②はおしまい。
準備編③ ESTAが取れない!? - アメリカ横断2人旅に続く。
準備編① まずはルート GO WEST!
アメリカ横断とは
アメリカ大陸の横断、一体どのぐらいの距離なのか。
下の図のように、LAからNYまでほぼ一直線に走れば3000マイル(=約4800キロ)ほど。
日本で言えば、北海道・稚内を出発し(津軽海峡はフェリーだけど)、本州最南端の鹿児島・佐多岬に到着した後、秋田まで引き返すとちょうど3000マイルになる。
その気になれば走れそうな気もするし、やっぱり大変そうな気も。
ましてや、海外での運転となると不安も尽きない。それでも、広々としたアメリカの荒野をドライブしている姿をイメージすれば、こんなにエキサイティングなことはない!
ということで、まずはドライブの準備から。
ルートはどうする?
一番基本かつ重要なのがルート。スタート、ゴール地点を決めないと何も始まらないし、途中でどこに寄るかでルートは全然変わってしまう。
実は私たちも結構悩んだ。休みが無限にあれば全米を回りたいが、さすがの新婚旅行でも2週間の休暇が限界(結局、11泊13日の旅に・・・)。限られた時間でいかに効率よく回れるか。
まずはスタート地点だ。
最大の目的がLAでコービーの試合を観ること。4月13日の朝にはLAにいなければならない。さて、どういう旅程を組むか。
まず、4月上旬しか仕事の休みがとれそうにないので、西海岸をゴールにすることに決定。
「水曜どうでしょう」と逆のルート、ワシントンDCから出発し、サンフランシスコを目指す案も浮上。だが、DC直行便には空席がなく断念。NY行きは空席があったが、運転距離が延びることに不安もあり、スタート、ゴール地点をどこにするかで迷っていた。
その他、彼女の姉夫婦が住むアトランタに寄りたい、グランド・キャニオンに足を伸ばしたい・・・などなど考え出すと、一体どんなルートにすればいいのか。いつまでも決められずにいた。
一日でどれぐらい走れるのか?
恐らく、多くの人がこの問題で悩んでしまうのではないか。
私たちもいろいろなネット情報を参考にしたけれど、実際に走ったことがないのでどうしてもドライブのイメージがわかない。
「疲れるから一日最大400マイルまで!」という意見もあれば、「気合を入れれば800マイル以上も余裕!」との情報も。
うーん、これがすっきりしないので、なかなか旅程が立てられないのだ。
ということで、今回の私たちの経験を振り返れば、
「頑張る日は800マイル、普通に走る日は400マイル」
というのが目安だろう。車に重大なトラブルが起きたり道に迷ったりしない限り、男女カップルでも十分可能な距離だと思う、たぶん。
ちなみに今回、一日の最長ドライブは750マイルだった。給油、トイレ、食事で小休止したり、高速を下りて一般道を走ったり、気になった場所で写真を撮ったりとあれこれしてもこのぐらいは走ることができた。
もちろん、宿に着いたときはぐったりだったけれど。
21時以降の夜間ドライブはなるべく避けたが、早朝から深夜まで走れば距離はまだまだ延ばせそう。3、4人で運転を交代すればもっと行ける、はず。
ルートを決める!
ということで、ルートを決めてみる。
Googleマップを使い、まずは行ってみたいところをマークした。
せっかくのアメリカ横断、行けるかどうかは別にしてとりあえず行きたい候補地を選ぶ。
それから、各地点の距離をGoogleで計測(ルートまで表示されて便利!)する。
観光しながらドライブする一日なのか、移動に専念する一日なのか、いろんなパターンを検討していくと、何となくルートが見えてくる。
参考までに、私たちの最終的なGoogleマップはこんな感じ。
各地点をつないでいけば、アメリカ横断をしている気分になるから不思議だ。
ここでアドバイス!
というほど偉そうな話ではないけれど、私たちの経験からルート選定における重要なポイントを三つほど。
あくまで私見である。
①GO WEST!
どうせ横断なんだから「東から走ろうが、西から走ろうが距離は同じ!」と思ったあなた。その気持ちはよくわかる。
確かに距離は同じだが、アメリカは広大。その広さゆえに、日本人にはイメージしにくい国内時差があるのだ。
上図のように、西海岸と東海岸では3時間もの時差がある。
そして、地図をよく見ればあることに気づくはず。そう、当たり前だけれど西より東の方が時間が進んでいるのだ。
どういうことか。
西から東へドライブしたとする。時刻は15時。「日没までに宿に着くぞ!」と頑張って飛ばしていたのに、時差の境目(タイムゾーン)を越えた瞬間にプラス1時間、「え、もう16時!?」という事態が発生するのである。
逆に言えば、東から西に運転すれば、タイムゾーンをまたいだ瞬間に時計の針が1時間戻る。
たかが1時間とあなどることなかれ。国立公園の入園時間、スーパーの閉店時間、睡眠時間、「あと10分早ければ・・・」という場面が多く予想される長距離ドライブでこの1時間は実に大きい。
実際、私たちも思わぬ時差のボーナスに喜んだことがしばしば。しかも、アメリカ横断では、こんなおいしいボーナスが3度もやってくるのだ!(実は3度目がやって来なかったことは後述・・・)
ぜひ、東から西をめざすドライブをお薦めします。
②宿は走りながら予約
せっかくの横断ドライブ。行く先々で思わぬ感動もある。
1時間もあれば十分と思っていた観光名所なのに、気づけば3時間も楽しんでいた。逆に、1時間で到着できる距離だったのに、思わぬ渋滞で3時間かかる・・・など、なかなか先が見通せない。
アメリカはよほどの田舎に行かない限り、主要道路沿いにはモーテルなど宿泊施設は十分。(田舎でも探せばあります)
大人気の観光地周辺やハイシーズンでなければ、その日の宿はその日に予約。疲れているときは予定より早めに宿に入ることもできるし、時間にも気分にも余裕が生まれます。
私たちも事前に予約していたホテルは3日に1回程度。「どうしてもこのホテルに泊まりたい!」というホテルがあったときは日本から予約したけれど、残りは車中でネット予約した。
アメリカのモーテルは、日本のビジネスホテルより広くて安くて快適な宿が多い。
ただし、市街地を離れると圏外の区間も続くのでネット環境には十分注意を。
③天気予報をチェック
②で柔軟な旅程を確保できても、旅を楽しむ上で大切なのがお天気。
せっかく頑張ってグランド・キャニオンまで走ったのに、曇りで夕焼けが見られない・・・という悲しい事態はできるだけ避けたい。
前の日、むしろ当日でも事前に天気予報をチェックしてからルートを決めることをお薦めします。
私たちが愛用していた米国の天気予報サイト。
http://www.theweathernetwork.com/weather/list/us
エリアや時間ごとに細かく予報が出るので、天候に気を揉んでルートを決めかねているときは重宝すること間違いなし!
といっても、自然相手なので晴れたり雨が降ったりすることもある。それがまた旅の醍醐味かもしれない。
(なお)
というわけで、準備編①はおしまい。
準備編② レンタカーと免許証 - アメリカ横断2人旅に続く。
プロローグ 「2人が旅に出た理由」
さて。彼と2人、アメリカ横断の旅をすることになった。
思えば「水曜どうでしょう」を見ながら晩酌するのが我が家の週末の定番になって、中でもお気に入りは四国遍路とアメリカ横断。
次に何が起こるのかすっかり覚えてしまうぐらい見て、そのたびに「いいねぇ、いつか一緒に行きたいねぇ」なんて言っていたけど、まさかホントに実行に移すとは思ってもみなかった。
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発端は去年の10月、「新婚旅行どこ行く?」という話から。彼も私も旅好きで、せっかく結婚記念の旅行をするのなら、ちょっと特別な旅にしたい。
最初は「イスラーム文化とキリスト教文化の融合地点へ!」と、トルコを目指していたけれど、昨今の国際情勢を鑑み、危険性アリと判断して泣く泣く断念(よしトルコだ!と決めたその日に、ロシア機が撃墜されたんです・・・)
だったらどうする? ウユニ塩湖? いや、遠すぎる。じゃ、シベリア鉄道横断とか? たぶん、途中で飽きる。ならヨーロッパ周遊? あ、またテロだ・・・。
というわけで、「もういいかァ、新婚旅行はしばらく経ってからで・・・」と半ば投げやりモードになっていたところ、ふいに思いついた。
今年、コービー・ブライアントが引退する。
コービーは言わずと知れた、NBAロサンゼルス・レイカーズのスター選手。
実は私は中学生の頃からNBAファンで、というかコービーの大ファンで、いつか生で試合を見たいとずっとずっと思っていた。そのコービーがついに今シーズンで引退してしまうのだ。
ラストゲームは4月13日。休みは? 彼曰く、たぶん、とれる。
・・・これはアメリカに行くしかないのでは!?
どうせ行くなら、いっそ横断しちゃえばいいのでは!?
と、こうして最後は勢いで私たちはアメリカ横断を決めたのです。
絶対外せない条件は「4月13日 in LA」のみ。
どういうルートで行くのか、そもそも何日かかるのか。ていうか、アメリカって左ハンドルだよね? なんてことは置き去りにして。
呑気な私は「ま、行けば何とかなるでしょ」ぐらいに思っていたのですが、彼はこの日から仕事そっちのけで旅のコーディネイトにのめり込んでいくのでした。
(のん)