準備編① まずはルート GO WEST!
アメリカ横断とは
アメリカ大陸の横断、一体どのぐらいの距離なのか。
下の図のように、LAからNYまでほぼ一直線に走れば3000マイル(=約4800キロ)ほど。
日本で言えば、北海道・稚内を出発し(津軽海峡はフェリーだけど)、本州最南端の鹿児島・佐多岬に到着した後、秋田まで引き返すとちょうど3000マイルになる。
その気になれば走れそうな気もするし、やっぱり大変そうな気も。
ましてや、海外での運転となると不安も尽きない。それでも、広々としたアメリカの荒野をドライブしている姿をイメージすれば、こんなにエキサイティングなことはない!
ということで、まずはドライブの準備から。
ルートはどうする?
一番基本かつ重要なのがルート。スタート、ゴール地点を決めないと何も始まらないし、途中でどこに寄るかでルートは全然変わってしまう。
実は私たちも結構悩んだ。休みが無限にあれば全米を回りたいが、さすがの新婚旅行でも2週間の休暇が限界(結局、11泊13日の旅に・・・)。限られた時間でいかに効率よく回れるか。
まずはスタート地点だ。
最大の目的がLAでコービーの試合を観ること。4月13日の朝にはLAにいなければならない。さて、どういう旅程を組むか。
まず、4月上旬しか仕事の休みがとれそうにないので、西海岸をゴールにすることに決定。
「水曜どうでしょう」と逆のルート、ワシントンDCから出発し、サンフランシスコを目指す案も浮上。だが、DC直行便には空席がなく断念。NY行きは空席があったが、運転距離が延びることに不安もあり、スタート、ゴール地点をどこにするかで迷っていた。
その他、彼女の姉夫婦が住むアトランタに寄りたい、グランド・キャニオンに足を伸ばしたい・・・などなど考え出すと、一体どんなルートにすればいいのか。いつまでも決められずにいた。
一日でどれぐらい走れるのか?
恐らく、多くの人がこの問題で悩んでしまうのではないか。
私たちもいろいろなネット情報を参考にしたけれど、実際に走ったことがないのでどうしてもドライブのイメージがわかない。
「疲れるから一日最大400マイルまで!」という意見もあれば、「気合を入れれば800マイル以上も余裕!」との情報も。
うーん、これがすっきりしないので、なかなか旅程が立てられないのだ。
ということで、今回の私たちの経験を振り返れば、
「頑張る日は800マイル、普通に走る日は400マイル」
というのが目安だろう。車に重大なトラブルが起きたり道に迷ったりしない限り、男女カップルでも十分可能な距離だと思う、たぶん。
ちなみに今回、一日の最長ドライブは750マイルだった。給油、トイレ、食事で小休止したり、高速を下りて一般道を走ったり、気になった場所で写真を撮ったりとあれこれしてもこのぐらいは走ることができた。
もちろん、宿に着いたときはぐったりだったけれど。
21時以降の夜間ドライブはなるべく避けたが、早朝から深夜まで走れば距離はまだまだ延ばせそう。3、4人で運転を交代すればもっと行ける、はず。
ルートを決める!
ということで、ルートを決めてみる。
Googleマップを使い、まずは行ってみたいところをマークした。
せっかくのアメリカ横断、行けるかどうかは別にしてとりあえず行きたい候補地を選ぶ。
それから、各地点の距離をGoogleで計測(ルートまで表示されて便利!)する。
観光しながらドライブする一日なのか、移動に専念する一日なのか、いろんなパターンを検討していくと、何となくルートが見えてくる。
参考までに、私たちの最終的なGoogleマップはこんな感じ。
各地点をつないでいけば、アメリカ横断をしている気分になるから不思議だ。
ここでアドバイス!
というほど偉そうな話ではないけれど、私たちの経験からルート選定における重要なポイントを三つほど。
あくまで私見である。
①GO WEST!
どうせ横断なんだから「東から走ろうが、西から走ろうが距離は同じ!」と思ったあなた。その気持ちはよくわかる。
確かに距離は同じだが、アメリカは広大。その広さゆえに、日本人にはイメージしにくい国内時差があるのだ。
上図のように、西海岸と東海岸では3時間もの時差がある。
そして、地図をよく見ればあることに気づくはず。そう、当たり前だけれど西より東の方が時間が進んでいるのだ。
どういうことか。
西から東へドライブしたとする。時刻は15時。「日没までに宿に着くぞ!」と頑張って飛ばしていたのに、時差の境目(タイムゾーン)を越えた瞬間にプラス1時間、「え、もう16時!?」という事態が発生するのである。
逆に言えば、東から西に運転すれば、タイムゾーンをまたいだ瞬間に時計の針が1時間戻る。
たかが1時間とあなどることなかれ。国立公園の入園時間、スーパーの閉店時間、睡眠時間、「あと10分早ければ・・・」という場面が多く予想される長距離ドライブでこの1時間は実に大きい。
実際、私たちも思わぬ時差のボーナスに喜んだことがしばしば。しかも、アメリカ横断では、こんなおいしいボーナスが3度もやってくるのだ!(実は3度目がやって来なかったことは後述・・・)
ぜひ、東から西をめざすドライブをお薦めします。
②宿は走りながら予約
せっかくの横断ドライブ。行く先々で思わぬ感動もある。
1時間もあれば十分と思っていた観光名所なのに、気づけば3時間も楽しんでいた。逆に、1時間で到着できる距離だったのに、思わぬ渋滞で3時間かかる・・・など、なかなか先が見通せない。
アメリカはよほどの田舎に行かない限り、主要道路沿いにはモーテルなど宿泊施設は十分。(田舎でも探せばあります)
大人気の観光地周辺やハイシーズンでなければ、その日の宿はその日に予約。疲れているときは予定より早めに宿に入ることもできるし、時間にも気分にも余裕が生まれます。
私たちも事前に予約していたホテルは3日に1回程度。「どうしてもこのホテルに泊まりたい!」というホテルがあったときは日本から予約したけれど、残りは車中でネット予約した。
アメリカのモーテルは、日本のビジネスホテルより広くて安くて快適な宿が多い。
ただし、市街地を離れると圏外の区間も続くのでネット環境には十分注意を。
③天気予報をチェック
②で柔軟な旅程を確保できても、旅を楽しむ上で大切なのがお天気。
せっかく頑張ってグランド・キャニオンまで走ったのに、曇りで夕焼けが見られない・・・という悲しい事態はできるだけ避けたい。
前の日、むしろ当日でも事前に天気予報をチェックしてからルートを決めることをお薦めします。
私たちが愛用していた米国の天気予報サイト。
http://www.theweathernetwork.com/weather/list/us
エリアや時間ごとに細かく予報が出るので、天候に気を揉んでルートを決めかねているときは重宝すること間違いなし!
といっても、自然相手なので晴れたり雨が降ったりすることもある。それがまた旅の醍醐味かもしれない。
(なお)
というわけで、準備編①はおしまい。
準備編② レンタカーと免許証 - アメリカ横断2人旅に続く。