アメリカ横断2人旅

めざせNY→LA完全走破!新婚旅行ドライブ挑戦記

DAY6 ルート66を西へ!夕暮れのサンタフェ

 

Best Westernの温かい朝食

4月8日、7時起床。快晴。

今日も長いドライブになりそうなので、早めに出発する。疲れはたまっているけど、時差ボケもほぼなくなり、早起きも習慣になってきた。

嬉しかったのは朝食が温かいビュッフェだったこと。さすがBest Western!

ベーグルを焼いて卵とカリカリのベーコンを挟み、サンドイッチが完成。この日もランチ用に紙ナプキンに包んで、ちゃっかり “テイクアウト” した(時間も節約!)。

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カウボーイグッズを買いに

オクラホマを出て州間高速道路I-40を走り、再びテキサス州に突入。

I-40はイコール、かの有名な「ルート66」と重なる。どこまでもまっすぐな道(本当に数十キロにもわたって直線だったりします)、緑鮮やかだった南部とは打って変わり荒涼とした平原、のしのしと歩く真っ黒なテキサス牛たちに「アメリカ横断」を感じてテンションがあがる。

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この日は約500マイル(=約800キロ)先のサンタフェに早く着き、明るいうちに街を散策したいのであまり寄り道はしない予定。ただ、彼が「どうしても欲しい!」とカウボーイハットを熱望していたため、アマリロという街でI-40を下り、カウボーイ用品なら何でもそろう「CAVENDER’S」というお店に立ち寄ることにした。

ところが・・・「まぁ20~30分もあれば十分でしょ」と思っていたのに、広い店内には数えきれないほどのカウボーイハットやブーツがずらり!

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ウェスタンなTシャツやタンクトップ、ベルトのバックルなどの小物も充実し、見ていて飽きない。あっちをうろうろ、こっちをきょろきょろ。

帽子で迷って、服も買って・・・気がついたらもうお昼。なんと小一時間もショッピングを楽しみ、2人で200ドルも買い込んだのだった。オススメです!

【CAVENDER'S】7120 W I-40, Amarillo, TX(I-40沿いにあるのですぐわかります)

 

 

原野に刺さるキャデラック

続いては私が「行きたい!」と言って譲らなかった「Cadillac Ranch」へ。

何にもない土地の真ん中にキャデラックが10台、頭から突っ込んでいるというこの謎のポイントは、1974年に地元の大富豪がサンフランシスコからアーティストを招いて作ったもの。

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本当に地面にキャデラックが突き刺さってるだけなんだけど・・・「落書き自由」で何重にもスプレー塗装された車体は厚みが増し、毒々しい極彩色が茶色一色の平原にずらりと並んでいるさまはシュールというか、絵になるというか。

アメ車の黄金時代を表現したっていうのはホントかなぁ?と思いつつ、わいわい楽しそうなアメリカンファミリーに交じり、私たちも置いてあったスプレー缶でひと吹き、荒野の芸術に色を加えてみた。こちらは無料、ここもオススメ!

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【Cadillac Ranch】W I-40 Frontage Rd, Amarillo, TX79124

I-40西行きの62A出口を下りて左折、Cadillac Ranchのお土産ショップを右折して少し行くと、大地に刺さったキャデラックが見えてきます。 

 

 

ニューメキシコ州

さてさて、道草はこの辺で。そろそろマジメに目的地を目指さねば。

テキサス州ニューメキシコ州の州境が近づいてくると、辺りの風景は低木が目立つ荒涼とした岩石地帯になってきた。

エイドリアンという小さな町の外れにはルート66の中間点、「Midpoint Cafe」があるけど、サンタフェに急ぐ私たちはスルーして西に走る。

ニューメキシコ州に入ると、ここで山岳部のタイムゾーンに突入! 時計の針を1時間戻す。国内時差はもう2回目だけど、サンタフェに早く着きたい今日はよけいに「1時間」のボーナスが嬉しい。

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ニューメキシコ州最大の都市アルバカーキの手前でI-40を下り、下道で小さな町をいくつも過ぎて北上。標高も上がり、曇り空から時折ぽつぽつと雨も降ってくる。

岩石地帯から、再び緑豊かな山へ。だけど、この辺の樹木はアトランタニューオリンズの新緑とは違い、背が低くて色が濃い。

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どんより曇り空の下、車の通りもぐっと減り、彼も寝てしまって独りの道行き。アップダウンの続く静かな山道を走っていく。

 

 

古都サンタフェ

サンタフェに近づくにつれ、壁を薄茶色の土(日干し煉瓦?)で塗り固めたような建物が目立ってきた。この辺りはもともとインディアンが古くから住んでいた土地。先住民族に敬意を示した建築意匠なんだろう。

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サンタフェアメリカ建国のはるか前、1607年にスペインによって建設されたという。その後、先住民族が統治し、次いでメキシコ領になり、アメリカ合衆国の一部になったのは19世紀になってからだ。

そのせいか、サンタフェアメリカであってアメリカじゃない。土壁の街並みもそうだけど、街に漂う雰囲気が・・・インディアンの息吹も感じれば、ラテンの風情もある。山岳地帯の真ん中にこじんまりと佇む "Santa Fe=聖なる信仰"。「アメリカの宝石」と呼ばれるのもうなずける。

日本人はサンタフェというと宮沢りえのヌード写真集を思い浮かべるけど(実際、ネットで検索してもまず写真集が出てきた。どーなのよそれ)、ここはアメリカ人も憧れる特別な街なのだ。

 

 

最古の教会、最古の家

この日の宿は彼が日本で前もって予約してくれていた「Old Santa Fe Inn」。

入口に赤い唐辛子のリースがぶら下がっていたりして、「おお、ニューメキシコっぽい!」と喜んでいたら、中に入ってさらにびっくり。

大きな木製の扉を開けると、ロビーにはインディアンクラフトなクッションを添えたソファ、木目の手すりの感触が気持ちいい階段。部屋には暖炉まで備え、浴室はタイル貼り。

いちいち造形が可愛く、まるでジブリの世界。ベッドにダイブして「もうここでゆっくりする・・・」とつぶやいたのは半分本気だった。

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とは言え、せっかくのサンタフェだ。時刻は17時。スタバのコーヒー(なぜかこのホテルでは飲み放題)で一息入れて、日の落ちる前に散策に出かけた。

まずは「水曜どうでしょう」で大泉さんが「こんなところで結婚式を挙げたいねェ」と言っていた全米最古の教会へ。

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教会と言えば尖った塔や三角の屋根をイメージするけど、1610年頃に建てられたサン・ミゲル教会は土色の四角いフォルム。こじんまりと可愛く(やたらカワイイを連発してスミマセン。でもサンタフェはホントに街全体がカワイイのです)、もう閉まってて中に入れなかったのが残念。

すぐ隣には最古の家、「Oldest House in the USA」。何をもって最古なのか、誰が認定したのか、ホントに最古なのか? 疑問は尽きないものの、とにかく12世紀に建てられたという説まであるおうちで、半分はインディアンアートのお土産屋さんになっていた。

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てくてく歩いてお腹が減って

残念ながら時間が遅く、アートギャラリーが軒を連ねるキャニオン・ロードはほとんどのお店がclosed。街全体も店じまいの雰囲気だけど、店先にあるオブジェを眺めたり、ショーウィンドウ越しに見たりするだけでも結構楽しい。

サンタフェの中心部は端から端まで歩いても1時間ほど。散策するには手ごろな街だ。

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ぶらぶらしているうちにお腹も減ってきて、この日は久々に外食することに。考えてみれば、ずっとスーパーで買って部屋で食べる日々が続いていて、まともにテーブルについて食事するのはNY以来。

彼がなぜか「サンタフェのワインで乾杯する!」と意気込んでいたので、ホテルでもらったツーリストガイドを参考に、ニューメキシコ料理のレストラン「The Shed」に目星をつける。

が、Shedはかなりの人気店らしく、呑気に小さな中庭を抜けて、途中の工芸店でお土産を買ったりして店に入ると、「予約ナシ?今だと1時間15分待ちですネ」

「えっ、1時間15分!? 」、気分はすっかりタコスで舌鼓気分だったのに・・・これだけ混むんだからさぞ美味しいんだろうとは思うけど、そんなに待つのはツライ。

予約を取っているらしいアメリカ人のご夫婦に「1時間15分だって!ハ、ハ、ハ!そりゃ大変だ!」と陽気に笑われ、すごすごと退散した。

(しかし日本人に同じこと言われると絶対腹立つのにアメリカ人だと「そうなんだよ、too badでしょ?」ぐらいの気分でいられるのはなぜだろう?)

 

 

念願のニューメキシコ料理

その後、いろいろ迷った末、散策途中で迷い込んだ「Blue Corn Cafe」というお店へ。

Cafeと名が付いているものの、店員さんに聞いてみればメニューはニューメキシコ料理が中心で、しかも店で仕込んでいる地ビールも豊富。

「新婚旅行で来てるんです」と言うと、街角を見下ろせるいい席に案内してくれ、オススメ料理も教えてくれた。

野菜と肉を鉄板で焼いたFajitas(ファヒータ)に、定番のTaco(タコスとは言わないらしい)。ニューメキシコ料理に欠かせないビーンズもたっぷりで、久しぶりの美味しい料理に大満足。

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オーダーのたびに「Perfect!」と料理のチョイスをニコニコ褒めてくれる店員さんの笑顔も嬉しく、ついついお酒も進む。いい気分で酔っ払っていると、窓の外ではいつしか夕陽が沈み、深い青の残る空の下、オレンジ色の街灯が通りを照らしていた。その美しいこと!

 

のちのち調べると、サンタフェには最古のマリア像がある聖フランシス大聖堂(しかし  “最古” が多いなァ)や、支柱のない「奇跡の階段」があるロレッタ・チャペルなどなど、まだまだ見どころがあったらしい。

一つの街を堪能し尽くせないのは横断の旅の悲しいところ。それぞれの街を腹六分目ぐらいで走り抜けてる感覚で、サンタフェも一泊では全然物足りなかった。

今日はずいぶん長く書いちゃったけど、それだけサンタフェが楽しかったということで。うーん、サンタフェ。いつか絶対もう一回行くぞ!!!

(のん)

 

この日の走行距離=500マイル

総走行距離=2620マイル

  

 

★俺から一言★

途中で寄り道して買ったカウボーイハット。車を運転しながらかぶっている人も多く見かけるほど、暮らしの中に根付いていた。「アメリカらしいなぁ」と見とれていたら、テキサス州を出た途端、誰もかぶっていない・・・。それだけテキサスの象徴なんだろうと実感。

この日以降、ずっと帽子をかぶって旅を続けたので、アメリカ人からすると「あー、浮かれてる観光客だなぁ」ぐらいに思われただろうけど、やっぱり気分が高まるものです。

水曜どうでしょう」を見てから、いつかカウボーイハットで横断することに憧れていた自分。本当は馬の絵柄が入ったメタル製のシャツもほしかったのだけれど(わかる人にしかわからないかもしれませんが・・・)、次の楽しみにとっておきます。

 

そして、サンタフェの面白さ!どこが楽しいのかと言えば、街歩きができること。車社会のアメリカにあって、のんびり散策ができる街はとても魅力的。

「いかにもアメリカ!」という街歩きを楽しめたのはニューオリンズだったけれど、サンタフェはどこかアメリカっぽくない雰囲気を漂わせ、不思議な魅力があった。

それにしても、サンタフェまで来ると日本人はおろか、アジア系の観光客の姿をまったく見かけない。一般的な旅行ではアクセスしにくいのかもしれないけれど、なかなかオススメの街ですよ。

(なお)

 

DAY7に続く。

DAY7 憧れのモニュメントバレー - アメリカ横断2人旅