アメリカ横断2人旅

めざせNY→LA完全走破!新婚旅行ドライブ挑戦記

DAY1 アメリカ上陸!NYは寒かった

 

旅立ちの朝

4月3日、6時起床。小雨。

前夜は夜が更けるまで荷物のパッキングに追われて寝不足。でも、緊張と興奮のためかあまり眠気を感じない。

地下鉄で東京駅まで出てから、バスで成田空港へ。

搭乗するのはニューヨーク行きのANA便。せっかくの新婚旅行、「思い出にビジネスクラス!」と奮発したいところだが当然エコノミー。

しかし、いいことはあるものだ。空港カウンターでプレミアムエコノミーに空席があると知らされグレードアップ! この幸先のよさ、いい旅になる予感。

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TAKE OFF

定刻を少し遅れて12時に離陸。

機内サービスが始まり、まずはスパークリングワインで乾杯。アメリカ横断のためにつくった「旅のしおり」に2人で目を通す。これから待ち受ける旅先での体験を想像するだけでワクワクしてくる。

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飛行時間は12時間45分。飛行機は私のふるさと北海道をかすめ、サハリン、カムチャッカ半島北極海を経てNYをめざす(眼下に広がる流氷の海!)。

到着後は半日だけNY観光をして、翌朝からのドライブに備える予定。なので、機内ではぐっすり寝ておきたいところだが、なかなか眠れない。

消灯後もジンやウイスキーを飲みながら、機内オーディオで浜田省吾特集を聞く。うーん、アメリカ旅行直前に聴く浜省は胸に響く。彼女は映画を立て続けに見ている様子。

眠りに落ちては目覚めを繰り返しているうちに、どんどんと東海岸に近づく。窓からはNYの沿岸も見えて来た。

「ついに来た!」という感動と、ESTAやVISAをめぐり「無事に入国できるのか?」という不安と。こちらの心を見透かしたかのように、強風で機体も激しく揺れる。

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入国審査

緊張しながらジョン・F・ケネディ空港のイミグレーションに向かう。入国拒否なんて事態はまさか起こらないだろうと自分を励ましつつ、イラン入国の過去をどこまで突っ込まれるのか、考えれば考えるほど心配は尽きない。

そこに、強風の影響で飛行機からの荷下ろし作業が中断とのアナウンス。入国審査への列がまったく動かなくなってしまう・・・。

1時間待っても進む様子はなし。うーん、大使館といいJFK空港といい、アメリカはやっぱり手ごわい。

ようやく列が流れはじめ、アタマの中で何度も入国審査のシミュレーションを繰り返す。ESTAが認証されている彼女とは別に審査を受けるのかと思っていたら、先に行った彼女が窓口から手招き。「2人で一緒に来い」とのことらしい。

審査官は見た感じなかなかのナイスガイ。だが、まだ油断はできない。

 

「観光?滞在日数は」と聴かれ、素直に答える彼女。予想通り、あっさりパス。

いよいよこの瞬間がやってきた。ドキドキしつつもパスポートを手渡す私。ところが、審査官はあんなに苦労して取得した観光ビザを無視。

仕事のため昔に取った別のビザを確認して、スタンプを押して終了。あんなに心配していたのは何だったのか・・・正直拍子抜け。

でも、無事アメリカに入国でき、2人で抱き合って喜ぶ!

 

 

NEW YORK, NEW YORK

遅れていた荷物も無事にピックアップ。ターミナルの外に出るとNYは真冬の寒さ。気温4度。

強風のせいか、凍えるほど寒い。横断の旅に備え、Tシャツやらビーチサンダルやらを持ってきたというのに・・・。

スマホで車を予約できるアプリ「UBER」で車を呼び、マンハッタンへ向かう。大きなシボレーに揺られ、高速道路を飛ばす。

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街並みを眺めつつも、明日からのドライブに備えて高速道路の走り方などに目をこらす。遠くにマンハッタンのビル群が見えるが、睡魔が襲ってくる。

タクシーはイーストリバーをくぐり中心部へ。さらにハドソンリバーまで向かい、フェリー乗り場で下ろしてもらう。2人で35ドル。

今宵の宿はマンハッタンではなく、ハドソン川の対岸のニュージャージーなのだ。理由は二つ。

 

  1. マンハッタンはホテルの値段が高い。川を渡るだけで、ぐっとお安くなる。
  2. 対岸のホテルは、マンハッタンの夜景を眺める最高のロケーション!

 

加えて、翌日からのアメリカ横断をNJからスタートすることで、マンハッタンの渋滞を避ける狙いもあった。いきなりゴミゴミした街なかを走るのも不安なので。

さらに加えれば、彼女にとって初のNY。

味気なく地下鉄でホテルに着くよりは、フェリーのデッキからマンハッタンの風景に酔いしれてもらいたいという願いがあったのだ。

何事も初めての印象が、その後の印象を決めるというではないか。ちなみに、NJはフランク・シナトラの出生地でもある。

だが、この日のNYの寒さはあまりにも過酷だった。寒さに耐えてフェリーを待ち、寒さに震えて船内に入る。とてもデッキに出るほどの余裕はなし。

当初のもくろみが大きく外れる5分の船旅となった。それでも、対岸から眺めるマンハッタンの景色は爽快だ。

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まずは自由の女神

フェリー乗り場近くにあるホテルへチェックイン。

の初日なので、この日のホテルは奮発し、「Hyatt Regency Jersey City on the Hudson」に宿泊することに。夜景の見えるホテルを選び、景色が最高な部屋になるように事前にメールでリクエストしておいた。

フロントの女性も「新婚旅行おめでとう。Amazingな部屋を用意しておきました」とスマイル。こういうときのアメリカ人の笑顔はいいなぁ。

部屋のドアを開ける彼女を見ながら、こちらもワクワク。想像していた通り、一面の窓の正面に、摩天楼が広がる。これはまさにアメージング!

部屋にオーディオがあったので、持参したiPodで大好きなビリー・ジョエルをかける。NYに来たことを改めて実感する。

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空港で2時間ほど待たされたせいもあり、すでに14時過ぎ。マンハッタン南部から出る自由の女神行きフェリーの最終便は15時半。これは急がねば間に合わない。

ここで一つの作戦を思いつく。

自由の女神に行く場合、マンハッタンからフェリーに乗るのが一般的。だが、ここは対岸のNJ。実はNJからも女神様が立つリバティー島に船で渡れるのだ。

そもそもリバティー島があるのはNJだから断然近い。よし、早速行動開始だ!

 

 

女神様のセクシーなお尻

フェリー乗り場までタクシーで行こうとしたが、「せっかくだから路面電車で行こうよ」と彼女。

「時間がないしタクシーの方が・・・」と言いかけたが、それも面白いかなと考え直し、近くの停留所から路面電車で数駅ほど揺られる。

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ところが! 降車場所からフェリー乗り場までは相当な距離があることが判明。近くの博物館の受付で道順を聞くと、「えー、歩いて行くのかい!!」と驚きの様子。

NJからのフェリー最終便も15時半。もう時間がない。とにかく海が見える方へ急ぐが、どこが乗り場なのかさえわからない。道を聞こうにも、歩いているのは私たちだけ。心細くもなる。

出港まであと5分!

海までダッシュしたものの、最後まで乗り場がわからず。ようやく沿岸にたどり着いたときには、フェリーの姿はどこにも見えない・・・。

どうやら乗り場を見失っていたようで、ここでタイムアップ。

NYから始まる大陸横断のシンボルとして、旅の安全を自由の女神に祈願しようと思っていだけにがっかり。野良猫にちょっかいを出しつつ2人でトボトボ歩く。

 

公園の広い芝生の向こう、はるか遠くに自由の女神が見える。顔は見えないが、セクシーなお尻をこちらに見せて悠然と立っている。

これからの道中、いろんなハプニングがあるんだろうな。「こういうことの方が後々思い出になるよ」との彼女の言葉に気を取り直し、小さな小さな女神様を見つめながら記念撮影。

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マンハッタン探索

気力を振りしぼって停留所まで戻る。ハドソン川を渡る地下鉄で乗り換え切符の買い方がわからず焦ったが、なんとかマンハッタンに到着。

すでに16時半。タイムズ・スクエアをぶらぶらし、近くのカフェでカプチーノとケーキを注文。店員が「可愛い彼女だな、おい!」とウィンク。やっぱりこういうときのアメリカ人はいいなぁ。

ブロードウェイ、マディソン・スクエア・ガーデンと散策し、ベタだけれどエンパイアステートビルに登る。

トップの102階まで1人52ドル。うーん、高いなぁ・・・とは思いつつ、一生の思い出だからとチケットを購入。エレベーターで一気に昇る。

 

夕暮れの空とビル群の明かり。やがて日が沈み、360度に広がる圧巻の夜景。

やっぱりNYはすごい。

冷たい風に吹かれながら、しばし見とれる。

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再び地上へ。

彼女はすっかり眠そうだが、せっかくの新婚旅行第1日目。気合を入れて外で乾杯でもしようとレストランに入る。地ビールと濃い味付けのステーキで祝杯。

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急いで地下鉄に乗り、ホテルに着いたのが23時半。

思えば長い一日だった。自宅を出てから、かれこれ30時間ほど経過。

「明日は寝坊できない!」と寝る準備を急ぐものの、旅のゴール、LAでのバスケ観戦のため日本から持ってきたレイカーズのユニフォームにもNYの夜景を見せてあげようと(?)、彼女はなぜかお着替えタイム。

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そうこうしている間に日付も変わる。深い眠りに落ちる2人だった。

(なお)

  

 

★私から一言★

成田空港で「世界のお天気」を見ると、NYの気温は3℃だった。「え、そんな低いの・・・?」と思いつつ、「いやいや、そうは言っても4月だもん」と思いたかったが、機内放送は晴れやかな声で「NYの雪 “は” やみました」と告げた。

NYに着いた早々、グランド・キャニオン用に持ってきた厚手の上着を引っ張り出し(悩んだけど持ってきた良かった・・・)、羽織れるものを羽織れるだけ何重にも羽織り、着ぶくれの変な恰好でNYを散策する羽目に。

ニューヨーカーも驚く異例の寒波だったようだけど、初日がこの旅でいちばん寒かった。

 

ちなみに、さらりと書いた「旅のしおり」は彼のお手製。

旅程やら各地の見どころやら、この先立ち寄るモニュメント・バレーで撮影された「フォレスト・ガンプ」のシーン画像まで貼り付けて、A4で計7枚! 一体いつの間につくったのか・・・。

 

そんな彼にも寒さとお尻だけの女神様は計算外だっただろうけど、自由の女神は次の機会に取っておこう。時間がなくて見れなかったブロードウェイやMoMAニューヨーク近代美術館)も。「また来たい!」って思うぐらい、旅はきっと腹八分目がよいのです。

(のん)

 

DAY2に続く。

DAY2 大陸横断開始。NJ→DCへ - アメリカ横断2人旅