アメリカ横断2人旅

めざせNY→LA完全走破!新婚旅行ドライブ挑戦記

DAY10 サンタモニカに夕陽が沈む

 

さぁ、LAへ

4月12日、8時半起床。再び快晴で最高の青空。

この日は日程に少しだけ余裕があったので、久しぶりに朝寝坊した。ホテル内のショッピングモールでメキシカンの朝食を食べ(すっかりお気に入り!)、美味しいコーヒーもテイクアウト。スーツケースをコロコロ転がしながら、広いモール内を再横断して駐車場へ。

昨日ラスベガスに到着したときは夜間で道もわかりにくく心細かったけれど、青空のさわやかな朝のベガスを走るのは不思議と気持ちがいい。

いよいよ最終目的地、ロサンゼルスへ向けて出発!

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ワイルドで行こう!

ベガスの街を抜けると、再び荒涼とした風景が広がる。インターステート15号線を走り、まさに「アメリカの荒野」と呼ぶにふさわしいモハーヴェ砂漠へ突入。

すると、まるで映画みたいに大型のハーレーが爆走している。これぞアメリカ!

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まさに映画『イージー・ライダー』の世界だ! と思っていたら、彼がおもむろにiPodを操作し、映画の主題歌、「Born to be wild🎵」とステッペンウルフの歌声が。

どうやら昨晩ダウンロードしていたらしく、爆音でがんがん鳴らして砂漠を進む。雰囲気が出るので、アメリカドライブには必須です!

  

 

旅先のカフェで

順調に車を走らせ、ついに全米横断の最後となるカリフォルニア州へ。緑豊かな大地をイメージしていたが、まだまだ砂漠地帯が広がる。

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ところで、LAに真っ直ぐ向かう前に、私たちには立ち寄る場所があった。目的地は、これまたモハーヴェ砂漠の真ん中、ルート66沿いにあるバグダッドカフェ」。

1989年公開の映画『バグダッド・カフェ』の撮影が行われたお店で、旅程に余裕のあるこの日に「行きたい!」と私が強力プッシュしていたのだ。

ベガスからは150マイル(=約235キロ)先のこのカフェ。Barstowという街の手前でインターステート15号線を下り、砂漠地帯を走る。荒野の中だが、ところどころにスプリンクラーが水をまき散らす緑いっぱいの畑も広がる。

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旧道沿いに一旦東に戻り、バクダッドカフェに到着。

周りには何もなく、「なぜこんな場所でカフェを!?」と思わずにはいられない。うら寂れた雰囲気は、気だるさ漂う映画の中のモーテル兼カフェにそっくりだ。

映画では、このカフェにドイツ人の太っちょヤスミンがやってくる。ドライブ旅行の最中に夫とケンカして荒野の真ん中に放り出されるのだけど、ヤスミンは気にしない。

モーテルをせっせと掃除して子供たちと仲良くなっちゃったり、同じく長逗留している画家にヌードモデルを頼まれたり、最初は胡散臭く思っていたオーナーのブレンダ(いつもキレ気味)も、いつしかヤスミンの不思議な魅力に惹かれ、友情を育んでいく。

 

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広大なアメリカで一軒のカフェを目的地にするなんて不思議な話だけれど、映画に漂っていたゆる~い空気感をぜひ味わってみたかった。

実際の店は「本当に営業しているのかな?」という雰囲気で、恐る恐るドアを開けてみると、壁にも天井にも世界中から訪れた人たちが貼り付けた名刺やメッセージカードがびっしり!

店内には先客らしき3人の姿があるものの、カウンターに出入りしたりしていて、誰が店員なのかわからない。お土産グッズか店の備品かわからないものもごちゃっと陳列されていて、このカオス感、まるで映画みたいだ。

よく見ると赤いTシャツを着たおばあちゃんが一生懸命対応している様子。恐らく店員だろうと思って声をかけると、好きなところに座ってくれとのこと。

映画で「薄いッ!」と文句を言われていたコーヒーとパンケーキを頼み、彼は持ち帰り用に「バッファローバーガー」を注文。

コーヒーは確かに笑っちゃうほど薄かった・・・。

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隣席にはイタリアからのカップルが座り、記念写真を撮ってもらう。

お店の片隅にはジュークボックス。近所に住んでいる人だろうか、ときどき常連さんみたいな人も現れ、お店のおばあちゃんとおしゃべり。地球の歩き方にも載るぐらい有名な(?)カフェだけど、観光地化しているわけでもなく、のんびりしている。

私たちもついつい長居し、1時間ほど過ごしたのだった。

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今度こそLAへ

今度こそLAへ。と、その前に、私にはもう1カ所寄りたい場所があった。

これまた地球の歩き方情報で、ちょうどこの先にCalicoという街ごと保存したゴーストタウンがあるらしいのだ。荒野のゴーストタウン!それ魅力!!

昨日、大隕石孔に行く途中にも打ち捨てられた街の跡があり、実は興味津々だった私。全く乗り気じゃない彼を、「蜘蛛の巣のあとまで残ってるらしくてさ」「お化けが出てきそうな雰囲気らしいよ」と懸命に説得する。

「そこまで言うなら・・・」と彼も折れ、高速を下りてその名もゴーストタウン通りを走って「Calico Ghost Town」へ。

しかし、近づいてみると、山肌にハリウッドを思わせる「CALICO」の看板がでかでかと掲げられ、エントランスではしっかり入場料(大人8ドル)を取られた。なんか・・・思ってたのと違う・・・。

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確かに昔の街の家具や衣服を展示してあるし、木造の建物は西部開拓時代を思わせ、それっぽい。でも・・・なんだろう、このテーマパーク感。

例えるなら日本の「懐かしの昭和村」みたいな感じで、寂れた街を期待していた私には全くの肩すかし。炎天下、30分ほどフラフラと歩いたけれど、「うん、もういいや・・・」とそそくさと出立したのでした。

CalicoはB級観光地が好きな人以外には全くオススメできません・・・。

 

 

気を取り直してLAへ

最終目的地のサンタモニカまでは残すところ約150マイル(=約240キロ)。長い長い旅の終わりが見えてきたということもあり、何だか寂しさも募ってくる。

ナビによると、予定到着時間は夕刻。明日の夜はバスケ観戦のため太平洋に沈む夕焼けが見られない。なので、なんとかして日没前にホテルに到着したいと車を飛ばす!

LAへのドライブは順調。インターステート15号線から、I -10に乗り換え。LA郊外あたりから車線は5車線、6車線・・・とどんどん増え、乗り入れる車も激増。

車線変更するのも一苦労。そのくせ、ほとんどの車が80マイル(=時速約125キロ)以上で走っている。

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インターチェンジの乗り換えも複雑になってきた。というか、ナビに表示される高速道路が多すぎて、まるで網の目のよう。ナビを凝視しつつ、必死の運転が続く。待ち焦がれたLAなのに、バグダッドカフェ周辺ののんびりとしたアメリカが懐かしい。

それでもLAの街並みが見えてくると、「ついにここまで来たか!」と万感の思いがこみ上げてくる。

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太平洋に到達!!

ホテルまで残り5マイルを切ったのに、まだまだ複雑な高速の乗り換え指示が続く。やっとの思いで最後の出口を出て、ようやくサンタモニカに到着!

 

最後の宿泊地となるホテルも無事に発見。ホテル駐車場は2日で70ドル。しかもバレーパーキング(車を出し入れしてくれる係員にチップが必要なのです)なのが少々面倒くさいので、近くの公共駐車場へ。こちらは2日で30ドル。節約節約。

最後のホテル「Ocean View Hotel」は、彼曰く「今回の旅で一番厳選したホテル」。ビーチ沿いにあって海を眺めることができるホテルは軒並み高い。それでも、新婚旅行の最初のNYと最後のLAは奮発しようと決めていたらしい。

 

事前にメールでリクエストしていたこともあり、フロントの女性は「新婚旅行おめでとうございます。うちのホテルで一番の部屋ですよ」とニコリ。何度も言うけど、アメリカ人のこういうさりげない親密さっていいなと思う。

部屋のドアを開けると、バルコニー越しにはサンタモニカのビーチが広がっていた。

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時刻はまだ17時。早速、散策を開始!

まず向かったのは、ホテルから歩いて5分ほどのサンタモニカピア。大西洋に突きだした桟橋沿いにはお土産屋やらレストランが並び、多くの観光客が行き交う。

ここにはルート66の終点を示す看板も。アメリカを横断した実感をかみしめる。

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桟橋の先端へ進む。目の前には旅のゴール、太平洋が広がる。

夕暮れが近づき、潮風が少し冷たく感じるけれど心地よい。この海が日本につながっているんだと思うと、遠くまで来たような、近くまで帰ってきたような不思議な気持ち。

オレンジ色の柔らかい光が海を包む。旅の終わりを祝福してか、桟橋の先端にはアシカまで泳ぎにやってきた。

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風が冷たくなってきたけれど、サンタモニカビーチへ。大きな波が打ち寄せる砂浜で、ビーチサンダルを脱いで海に足をつけてみる。

冷たい。海に入ったのはメキシコ湾以来。ビーチで遊んでいるうちに、いつしか空は深い藍色に染まっていく。

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寒くなったので一度ホテルに戻り、サンタモニカの街をぶらり。

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有名なサードストリートに繰り出してみる。平日の夜ながら、多くの人がまだ買い物を楽しんでいる。噂どおりサンタモニカは治安がよさそう。

すっかりリゾート地の風情にひたって、普段なら絶対行かないアバクロにも行ってみた。

 

「海外まで来てショッピングに没頭するなんて、旅をわかってないよねぇ」なんて2人で悪態をついていたくせに、いざ入ってみるとあまりの安さにびっくり。

「日本なら1万はするのに半額以下だよ!」「お土産にいいんじゃない?!」とはしゃぎ、「海外でショッピングってのも悪くはないかもね」とあっさり転向したのでした。(とは言え、この旅で買った服、日本で着るだろうか・・・)

 

思わぬ買い物にホクホクしながらさらに通りをぶらり。夕飯はここまでの旅の成功を祝い、ワインで乾杯することに。いくつかお店をのぞきつつ、賑わっているお店に入る。

スパークリングワインはボトルしかなかったものの、ダメもとで訳を話すと、店員さんがグラスでのオーダーを快くOKしてくれた。

新婚旅行アピールはどこに行っても効果があるものだ。

 

注文した料理も味付けが抜群にいい。よくわからず頼んでみた料理が山盛りの貝だったのには思わず笑ってしまったけれど、契約農場で採れたという野菜の料理は新鮮で味も濃く、ワインがどんどん進んだのだった。

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すっかり酔っ払ってホテルへ帰る。シャワーを浴びた後、私はバスローブにくるまれてべッドにバタリ。ビーチに打ち寄せる波の音を聞きながら、眠りに落ちたのでした。

(のん)

  

 

この日の走行距離=320マイル

総走行距離=4250マイル

  

 

★俺から一言★

最終目的地のLAに到達したこの日は、何かと感慨深い一日だった。

ベガスを出発して砂漠地帯を走って向かったカリフォルニア。緑あふれる豊かな土地という勝手な想像を抱いていたけれど、実際は荒野の連続。

怒りの葡萄」のように、思い込みと現実のギャップにびっくり。さらに驚いたのはバクダッドカフェ。なぜあんな場所にお店を・・・それでも、なぜか心地よく長居したくなる不思議な空間。オススメです。

 

LAの宿泊先に選んだサンタモニカ。その桟橋に立ち、目の前に広がる太平洋を見ていたらなぜか胸がいっぱいに。

大西洋、メキシコ湾を見たときは、「知らない海だなぁ」という思いが先だったけれど、初めて訪れたLAからの太平洋にはなぜか懐かしさを感じた。アメリカ横断でようやくたどり着いた海だっただけに、感無量になったのかもしれない。これまた不思議です。

ちなみに本文でも書きましたが、「新婚旅行です」という言葉は、まさに魔法の言葉。ホテル、レストラン、写真を撮ってもらうとき、アメリカではどこでも必ずお祝いされます。

日本でもそうありたい、そんなカップルを見かけたら祝福してあげたい、そう思わずにはいられない貴重な体験でした。

(なお)

 

DAY11に続く。

DAY11 We Love KOBE!! - アメリカ横断2人旅