プロローグ 「2人が旅に出た理由」
さて。彼と2人、アメリカ横断の旅をすることになった。
思えば「水曜どうでしょう」を見ながら晩酌するのが我が家の週末の定番になって、中でもお気に入りは四国遍路とアメリカ横断。
次に何が起こるのかすっかり覚えてしまうぐらい見て、そのたびに「いいねぇ、いつか一緒に行きたいねぇ」なんて言っていたけど、まさかホントに実行に移すとは思ってもみなかった。
水曜どうでしょうDVD第15弾『アメリカ合衆国横断』 | HTBオンラインショップ
発端は去年の10月、「新婚旅行どこ行く?」という話から。彼も私も旅好きで、せっかく結婚記念の旅行をするのなら、ちょっと特別な旅にしたい。
最初は「イスラーム文化とキリスト教文化の融合地点へ!」と、トルコを目指していたけれど、昨今の国際情勢を鑑み、危険性アリと判断して泣く泣く断念(よしトルコだ!と決めたその日に、ロシア機が撃墜されたんです・・・)
だったらどうする? ウユニ塩湖? いや、遠すぎる。じゃ、シベリア鉄道横断とか? たぶん、途中で飽きる。ならヨーロッパ周遊? あ、またテロだ・・・。
というわけで、「もういいかァ、新婚旅行はしばらく経ってからで・・・」と半ば投げやりモードになっていたところ、ふいに思いついた。
今年、コービー・ブライアントが引退する。
コービーは言わずと知れた、NBAロサンゼルス・レイカーズのスター選手。
実は私は中学生の頃からNBAファンで、というかコービーの大ファンで、いつか生で試合を見たいとずっとずっと思っていた。そのコービーがついに今シーズンで引退してしまうのだ。
ラストゲームは4月13日。休みは? 彼曰く、たぶん、とれる。
・・・これはアメリカに行くしかないのでは!?
どうせ行くなら、いっそ横断しちゃえばいいのでは!?
と、こうして最後は勢いで私たちはアメリカ横断を決めたのです。
絶対外せない条件は「4月13日 in LA」のみ。
どういうルートで行くのか、そもそも何日かかるのか。ていうか、アメリカって左ハンドルだよね? なんてことは置き去りにして。
呑気な私は「ま、行けば何とかなるでしょ」ぐらいに思っていたのですが、彼はこの日から仕事そっちのけで旅のコーディネイトにのめり込んでいくのでした。
(のん)